部下育成のポイントは「コミュニケーションの時間」。部下の成長を感じられない管理職が5年前比で約3倍に増加

人材育成サービスを展開する株式会社ラーニングエージェンシーは、「管理職の意識調査」の結果を2020年7月に発表した。調査期間は2019年12月~2020年3月。同社が提供する管理職向け研修を受講した管理職1,070人から回答を得た。これにより、管理職が抱える悩みや課題の実態などが明らかになった。

管理職の半数は「部下の育成」に悩みを抱えている

働き方改革関連法施行や新型コロナウイルス感染症拡大などの影響を受け、働き方や働く環境が大きく変化する中、管理職に求められる役割もまた同様に変化している。このような状況下で、管理職はどのような悩みを抱えているのだろうか。

最初に、「管理職としての悩み」について尋ねた。すると、最も多かったのは「部下の育成」で50.5%という結果に。2014年に行った調査でも同様の結果となり、時代の変化に関わらず「部下の育成」が管理職の抱える最大の課題であることが判明した。また、「部下の育成」に悩む管理職の割合を見ると、5年前(2014年調査)の約40%から10%増加しており、部下の育成に悩む管理職は、増加傾向にあることがわかる。

「部下の育成」に続く悩みとしては、「チーム・部門の運営」が24.9%、「時間の不足」が21.7%などとなった。なお5年前の結果では、2位が「時間の不足」、3位が「部門の成果達成」で、本調査で2位だった「チーム・部門の運営」は5位という結果だった。



「部下の成長を実感できない」上司が5年前比で約3倍増という結果に

次に、「部下の成長度合い」について尋ねると、「成長している」が57.8%と最も多かったが、5年前の調査の69.6%からは、10%以上減少している。次いで「あまり成長していない」が27.9%となり、5年前の8.8%から約3倍増という結果に。部下の成長を実感している管理職は、減少傾向にあることがうかがえる。



6割以上の上司は、部下との月間コミュニケーション時間が「5時間以下」

また、「部下との月間のコミュニケーション時間」を問うと、最も多い回答は「2~5時間程度」で41.3%、次いで「1時間程度」が24.4%だった。全体の6割強が、部下との月間コミュニケーション時間が5時間以下という結果に。本質問に関しては、5年前の調査とほぼ同様の結果だった。



「部下の成長を実感している」上司は、コミュニケーション時間も長い傾向に

次に、「部下の成長度合い」での回答別に「部下とのコミュニケーション時間」を見ると、「部下が非常に成長している」とした管理職は、月間のコミュニケーション時間が6時間以上である割合が45.8%となった。部下の成長を実感している管理職は、その他の回答者よりも部下とのコミュニケーション時間を長く確保している傾向が見られた。




今回の調査により、コミュニケーションに時間をかけている上司は、部下の成長を実感しやすいという傾向が判明した。今後ますます働き方が多様化すると見られる中、部下とのコミュニケーションの取り方は管理職にとって重要な課題となりそうだ。


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