『3ヶ月前と比較して、現在の貴社にとっての財政的な見通しはどのようであると考えていますか。以下の中から最も当てはまるものを1つ選択してください。』

※デロイト トーマツ グループ調べ

財政見通しが「大いに楽観的になった」、「やや楽観的になった」との回答は合わせて27%と、前回（2017年10月）の14%から大幅に増加。65%が「概して変わっていない」と慎重なスタンスではあるものの、3ヶ月前と比較した景況感は4四半期ぶりに好転した。

これには、2017年末まで株価上昇が継続したことや、米国税制改正の成立、2018年の日本の成長率に関するエコノミスト等の予想も楽観的なものであったことなどが理由として挙げられる。

『日本経済にかかる変化点のうち、今後1年間の事業展開を展望するうえで注目すべき動きを以下の中から2つまで選択してください。』（複数回答）

※デロイト トーマツ グループ調べ

1位「人手不足」と2位の「働き方改革」はいずれも最近の本調査で常に上位を占めており、CFOにとって、自社の生産性向上策の立案・実施が当面の課題と言えるかも知れない。

また前回5位だった「日本銀行の政策転換」が3位にランクアップ。日本のインフレ率が昨年末にかけ徐々に上昇、市場でも日銀の量的・質的緩和からの出口が再び取沙汰される傾向が出てきたことが背景と考えられる。

『経理プロセスにおいて、現在推進している取り組みの目的として当てはまるものを全て選んでください。』（複数回答）

※デロイト トーマツ グループ調べ

『経理プロセスにおいて、現在推進している取り組みの目的として当てはまるものを全て選んでください。』

※デロイト トーマツ グループ調べ

経理関連業務に関する進行中の取り組みについては、「業務改善(BPR)の推進」が73%と群を抜いて多い結果となった。上位に挙がった項目を見ると、近年急速な技術刷新や活用の広がりを見せるITツール活用を重要視している様子がうかがえる。「AIの活用」についても21%の企業が推進中と回答していた。

これらの取り組みの目的を見てみると、「オペレーションコストの削減」が79%で最も多く、経理関連業務においても生産性向上が目下の最大課題であるようだ。4位と5位には「ガバナンスの強化（46%）」、「コンプライアンスリスクの低減（40%）」が続いており、これらも次の経理業務の改革テーマとして注目される。

経理プロセスであっても、取り組みの対象は、多様な部門と連携の上で行われている。連携対象の部門は、情報システム部門（56%）、調達部門（50%）、営業部門（40%）、事業部門（38%）、物流部門（35%）が上位5部門となった。業務改善（BPR）の取り組みは、受注手配や購買発注等の営業事務および調達の前工程に遡った上で、推進されていることが分かる。

部門間の連携促進の裏には、デジタルツール導入の潮流があり、間接部門共通の業務様式の画一化にあたって、単一部門に限らないツールの導入がされていると考えられる。本社と子会社、国内と海外での適用に関しては、本社や国内主要子会社を対象にする企業は多いものの、海外子会社まで対象としているケースは、全体の3割未満にとどまった。