CFOは“守り”に注力したい意向が見え隠れ 「CFOおよび財務経理部門の役割や組織の充足度に関する調査」

昨今、財務経理部門は、グローバル化やテクノロジーの進展を背景にさまざまな取り組みを進めているが、それら取り組みに関して、CFO自身はどのように感じているのだろうか。デロイト トーマツ グループは、グローバルレベルで定期的に実施しているCFOの意識調査から、「CFOおよび財務経理部門の役割や組織の充足度に関する調査」をテーマにしたレポートを2月14日に発表した。なお、本調査は2018年12月19日~2019年1月17日まで行われ、CFO・財務経理担当者32名から回答を得ている。

CFOの役割は大きく「ストラテジスト」「カタリスト」「スチュワード」「オペレーター」に分類される。この4つの役割における「現状の時間配分」と「理想の時間配分」を調べており、その結果をまとめたのが下記グラフとなる。



※デロイト トーマツ グループ調べ


現状では「ストラテジスト」に31%と最も多くの時間を割いており、CFOは経営層の一員として戦略立案への参画に貢献できていることがうかがえる。ただ、理想的な時間配分としては、全体のおよそ半分にあたる43%の時間を「ストラテジスト」にあてたいと回答していることから、CFOに対する戦略面での期待は、近年ますます高まっていると推察される。

一方、現状で最も割いている時間が少ないのは「オペレーター」の18%だが、こちらは現状よりさらに減らし、10%程度の時間配分にしたいようだ。

したがって、CFO自身としては4つの役割のバランスを重視するよりも、“守り”の役割にあたる「スチュワード」や「オペレーター」の時間をさらに圧縮し、“攻め”の役割にあたる「ストラテジスト」や「カタリスト」へより多くの時間を割いて、戦略立案への参画や実行推進に傾注したいという意向がうかがえる。

範囲を財務経理部門全体に広げて「現状の時間配分」と「理想の時間配分」を聞いた結果が下記である。



※デロイト トーマツ グループ調べ


現状ではオペレーターに38%と最も多くの時間を割いており、理想とする時間配分を大きく上回っている。一方で、“攻め”の役割にあたる「ストラテジスト」や「カタリスト」は理想の時間配分よりもそれぞれ8%程下回っており、「オペレーター」に時間を割かざるを得ない現状のしわ寄せが生じているようだ。

このことから、上述のCFOの4つの役割における理想の時間配分とは異なり、財務経理部門全体としては、4つの役割それぞれに対し均等に時間配分することが望ましいと考えていることが読み取れる。オペレーショナルな役割に費やす時間をいかに減らして、いかに全体の役割をバランスよく果たしていくかが、今後の課題になるであろう。

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