中堅・中小企業が抱える財務・経理部門の課題、IT化と人材育成が成長のカギか

税理士法人山田&パートナーズは2019年6月、「中堅・中小企業の経営実態調査」の結果を報告書としてまとめた、「我が国を支える中堅・中小企業の経営実態調査~人手不足とコンプライアンス~」を公表した。調査は中堅・中小企業 1,690 社を対象にアンケート形式で実施(有効回答数は652社)、調査期間は2018年11月16日~2019年1月31日。企業が抱える経営課題や、経理・財務部門の実態を探った。


現在、中堅・中小企業の経理・財務部門では、どのような課題を抱えているのだろうか。「経理作業上の課題」を尋ねると、「知識が属人的に蓄積され、退職者が出た場合の対応が難しい」が36.8%で最多だった。次いで、「月次・決算の資料が完成するのに時間がかかる」(33.1%)となる。一方、「課題はない」とする法人も23.8%あった。



※税理士法人 山田&パートナーズ調べ


では、経理・財務部門が抱える課題と従業員規模の間に関係性はあるのだろうか。「売上規模別の経理作業上の課題」を見ると、売上規模が大きくなるほど、「人手が足りない」、「月次、決算の資料が完成するのに時間がかかる」、「知識が属人的に蓄積され、退職者が出た場合の対応が難しい」といった項目を回答する法人の割合が高くなる傾向が見られた。一方、「課題はない」と回答する法人の割合は低下している。



※税理士法人 山田&パートナーズ調べ


経理作業上の課題や人手不足に対する施策としては、ITを活用した自計化(自社内で仕訳入力を行い、毎月の試算表、決算書などを作成すること)や、戦略的な人材育成と採用強化がカギとなりそうだ。


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